私はもともと、飲食店や宿泊施設などのサービス職で働いていました。人と話すことも、接客そのものも嫌いではありません。
それでも、ある時から「この働き方をずっと続けるのは難しいかもしれない」と考えるようになりました。
シフト制で勤務時間が日によって変わり、朝が早い日もあれば、帰りが遅い日もあります。仕事には慣れても、生活の予定を立てにくい状態を何十年も続ける自分は想像できませんでした。
そんな私が経理を目指すようになったきっかけは、旅館で偶然任された仕事でした。
接客は好きでしたが、働く時間が安定しませんでした
サービス職を辞めた理由を聞かれると、接客が嫌になったと思われることがあります。ですが、私の場合は少し違います。
お客様と話したり、その場の状況に合わせて対応したりすることには、むしろ楽しさを感じていました。
気になっていたのは、仕事の内容よりも働き方です。シフトによって生活のリズムが変わるため、仕事以外の時間を安定して確保することが難しく感じられました。
今すぐ続けられないわけではありません。ただ、これを一生の仕事にするかと考えたとき、私は別の働き方を探したいと思いました。
「パソコンが得意そう」という理由で経理業務を任されました
旅館で働いていた頃、周囲からパソコンを扱うのが得意だと思われていたことから、一部の経理業務を任されるようになりました。
最初に担当したのは、小口現金の管理、領収書などの経費処理と伝票入力、売上の計上です。
小口現金とは、細かな支払いに使うため職場で管理している現金のことです。使った金額と手元に残っている金額を確認し、領収書の内容を会計データとして入力します。
当時は経理へ転職するために始めたわけではありません。たまたま任された仕事でした。
ところが、実際にやってみると意外に面白く、「もう少し詳しく知りたい」と思うようになりました。
簿記3級だけで未経験の経理職に応募しました
経理の仕事をもっと学びたいと思い、簿記の勉強を始めました。最初に経理職へ応募した時点で持っていた資格は、日商簿記3級だけでした。
ただ、資格を取ればすぐに転職できるほど簡単ではありませんでした。応募した会社のほとんどで不採用になりました。
不採用の理由として、外国人であることや経歴について会社から直接言われたわけではありません。
それでも当時の私は、経理の実務経験がなく、短い職歴もあり、簿記2級も持っていない自分を、会社があえて経理として採用する理由は少ないのだろうと感じていました。
それでも、サービス職へ戻ることだけを考えるのではなく、未経験から応募できる会社を探し続けました。
簿記3級の知識より、会計システムを理解することが難しかった
最初の経理職に転職したあと、簿記3級で学んだ内容がまったく役に立たなかったわけではありません。借方と貸方、勘定科目などの基本を知っていたことで、説明を理解しやすい場面はありました。
一方で、実務で難しかったのは会社の会計システムがどのように動いているかを理解することでした。
一つの入力がどこへ反映され、請求や入金、売掛金の残高とどうつながるのか。教科書で仕訳を解くことと、会社全体の処理の流れを理解することは別の難しさがありました。
資格で学んだ知識だけでは足りず、会計システムと実際の業務の流れを理解する難しさを感じました。
経理に変えて、生活の予定を立てやすくなりました
最初の会社で経理を経験したあと、現在は別の会社で経理として働いています。今の会社へ入社して、もうすぐ2か月です。
経理へ変わって最もよかったと感じるのは、月曜日から金曜日まで、午前9時から午後6時という固定の勤務になったことです。
働き始めたばかりの頃は新しい仕事を覚えることで余裕がありませんでしたが、慣れてからは仕事のあとの予定を立てやすくなりました。自分の時間を作って使えることにも、サービス職との違いを感じています。
給与もサービス職だった頃より上がりました。もちろん会社によって条件は違いますが、私の場合は働く時間と収入の両方で、経理へ変わってよかったと感じる部分が多くあります。
サービス職の経験が役立っているかは、まだ分かりません
サービス職で身につけた経験が経理でどれほど役立っているかと聞かれると、今の私にはまだはっきり答えられません。
接客で培ったコミュニケーション力が役立つ場面はあるかもしれません。ただ、経理へ転職してからの期間はまだ長くなく、現在の会社でも働き始めて2か月ほどです。
無理に「すべての経験が今につながっている」とまとめるより、今は経理の仕事を一つずつ覚えている途中だと考えています。
今のところ、経理へ転職してよかったと思っています
サービス職から未経験で経理へ移るまで、応募が思うように進まない時期もありました。入社したあとも、資格の勉強だけでは分からないことがたくさんありました。
それでも今は、決まった時間に働き、仕事以外の予定を立てながら、経理として新しいことを学べています。
接客が好きでも、その働き方を一生続けたいとは限りません。私にとって経理への転職は、好き嫌いだけではなく、これからどのような生活を送りたいかを考えた結果でした。
まだ経理として十分な経験があるとは言えませんが、少なくとも今のところ、この仕事へ変えてよかったと思っています。

